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大晦日にドキュメンタリー映画『いきたひ』を観て

  • 2020年1月4日
  • 2020年1月4日
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2019年12月31日大晦日、ドキュメンタリー映画『いきたひ』の上映会に行きました。

前日に、家から歩いて10分ほどの場所で開催されると聞き、夫と94歳の夫の伯母と3人で参加しました。

 

このドキュメンタリー映画は、数年前に一度見て、私の”死”に対する感覚が激変した作品です。

映画では「”死”は本当に忌むものなのか?」という問いかけがあります。

私も祖父母や母の死に立ち会っていますが、亡くなった人の身体に対して、どう接して良いのかわからず、少し距離をとって眺めていたような気がします。

もし、この映画を先に見ていたら?

『亡くなった人のエネルギーを受け取ることができる』という言葉に、

「亡くなった母を抱きしめることができたら良かったな」という気持ちになりました。

 

 

映画『いきたひ』は、上映会の後、監督の長谷川ひろ子さんの講演があります。

監督のご主人は癌で亡くなっています。

本来は「癌からの生還」を映像にする目的で、闘病の様子をビデオで撮っていたのだそうです。

それが、亡くなる過程とそれを見守る家族の記録になりました。

 

 

最後のとき、救急車を呼ぶか、自宅で看取るかを迷います。

本人が「自宅で」と希望していたのはわかっていますが、苦しむ姿を子どもたちに見せることに躊躇があったからです。

そのとき、長女の一言で、自宅で看取ることが決まりました。

 

 

講演の中で長谷川監督は、生きるというのは「ポジションではなく、ベクトル」とおっしゃいました。

救急車を呼んだら、そこで夫は患者になってしまう。

自宅でなら、家族みんなで最後の瞬間まで、そばにいることができる。

それが、夫の望みであり、死に向かって進む覚悟=方向性(ベクトル)。

それを子どもたちに見せることで、次の世代に繋いでいくものがある。

 

 

「自宅で」と決めた時、看取る覚悟ができたそうです。

そして、行かないで(死なないで)が、いってらっしゃいに変化する。

「行かないで」は、寂しくなる、心細くなる、子どもたちをどうやって育てればいいの、という自分の不安から来た言葉で、ベクトルは自分に向かっている。

ベクトルが夫に向かったとき、「いってらっしゃい」と送り出すことができた。

そんな風におっしゃっていました。

 

 

他にもとても良いお話しが聞けましたが、印象に残ったのはこの”ベクトル”という言葉でした。

どこに向かって、誰に向かって、なにに向かって、思考をしているのか。

私はカウンセリングや講座のとき、そこを意識的にみます。

そこには、それぞれの癖があるからです。

 

 

そして、人生がうまくいかなくなったときは、そのベクトルの向きを変える必要があると言えます。

例えば、過去のできごとやそのときの感情にばかり気持ちが向くときは、ベクトルを未来に変えるとき。

周りの人を気遣い、相手の気持ちにばかり意識が向くときは、ベクトルを自分の気持ちに変えるとき。

自分の思考の癖がわかると、どっちに変えればよいかわかりやすいですよね!

 

 

2019年最後の大晦日の夜に、ドキュメンタリー映画『いきたひ』を見て、生と死や、自分の進む方向性についても考えることができました。

上映会の後には、年越しそばも振舞われて、とてもラッキーでした。

ドキュメンタリー映画『いきたひ』の情報は、こちらから
http://ikitahi.com/sche/index.html

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